西洋医学の臓器中心、器官中心の考え方では充足できない領域があります。その領域を西洋医学だけにとらわれずに、他の治療法も導入して全体的に治していこうというのが「統合医療」です。
当院では、西洋医学的な治療だけでは効果が期待できない場合や、薬の副反応が問題となる場合、西洋医学では対応できない慢性疾患などに対して、漢方、鍼灸治療などを用いています。
漢方は日本古来の治療法で江戸時代に急速の発展を遂げましたが、明治維新以降、西洋医学の発展に伴いその座を明け渡す形となりました。しかし、現在に至って、西洋医学だけでは補いきれない領域も出てきており、漢方薬の見直しがされてきています。当院では、エキス剤のみ使用していますが、漢方薬単独で用いる場合もありますし、西洋医学的な薬剤と併用する場合もあります。漢方薬は体全体のバランスを整えていく治療法ですから、慢性疾患には非常に有効性があると考えています。慢性の消化器疾患、アトピー性皮膚炎、腎疾患、肝疾患など幅広く用いていますが、最近は動物の精神神経系疾患にも効果が見られています。
針灸治療は、中国古来からの治療法で、約4000年の歴史があると言われています。日本においても古くから普及していますが、西洋医学的に実証できない等の理由から非科学的と考える方がみえるのも事実です。しかし、現在、針灸学は国際化し、特に獣医界ではアメリカで発展し日本は遅れをとっています(もちろん中国が最先端であることは言うまでもありません)。針灸治療は、まだ解明されていない部分も多くありますが、私は効果的であると考えております。当院では、運動器疾患の痛みのコントロール、神経機能の回復、全身のバランス調整などに用いています。